精進落とし
精進落としとその準備
精進落としという言葉を聞いたことがありますか。初めて聞
くという方も、実は経験されているかもしれません。一般的
に葬儀後に行う会食のことを精進落としと呼んでいます。現
代における精進落としの位置づけと、どのように行えば良い
のか見ていきましょう。
精進落としは、もともとは忌中の遺族が一定期間仏の教えに従い、動物を殺生せず、肉や魚などの動物性の食材を食べずに食した
期間が明ける時の食事を指します。穀類や野菜、豆類などを用いた精進料理を一定期間食し、その期間が明け、肉や魚など、忌中
前の食事に戻す初めての食事のことです。宗教や地域の風習、各家庭の習わしなどにもよりますが、かつては四十九日間は精進料
理を食して故人を弔い、故人が無事に極楽浄土へと行けるよう祈ってきました。四十九日に極楽浄土と地獄のいずれに行くかの審
判が下されると言われているため、それまでの間遺族は殺生を慎み、弔いの日々を送るとされていました。
現代社会においては、中には古くからの習わしを守られる方もいるかもしれませんが、ほとんどの方が食生活を変えることはあり
ません。精進落としも一連の葬儀の中の一つに位置づけられています。宗教や地域、ご家庭の習わしなどにもよると思いますが、
一般的には通夜、告別式を終え、葬儀後に遺族や親族、親しい知人などが集まって会食をする場を精進落としと呼んでいるのです。
故人のことを偲びながら、献杯を交わし、和食を中心とした料理を食します。宗教や地域によって、料理の内容が違うこともある
ので確認が必要です。
精進落としは、遺族、親族を中心に参列する人数などを予測して、それに見合う料理を用意するのが一般的です。大皿料理を取り
分ける形であれば、およその人数でも大きな問題は起きません。一方、1人ずつのお膳を用意する場合には注意が必要です。予想よ
り参列する人数が少ないと余ってしまい、余計なコストがかかるためです。告別式には参列しても、精進落としは遠慮するという
方もいるので、それとなくの確認も必要かもしれません。